当期における建設機械・車両部門の売上高は1 兆7,634 億円(前期比0.6%増)、セグメント利益は2,272 億円(前期比6.1%減)となりました。
イノベーションによる成長戦略を担う次世代商品として、日本、北米、欧州で導入したICT ブルドーザーおよびICT 油圧ショベルは、お客様からの評価も高く、着実に出荷台数を伸ばしました。また、建設現場のあらゆる情報をICT で繋ぎ、安全で生産性の高い「未来の現場」を実現させていくためのソリューション事業である「スマートコンストラクション」を本年2 月より日本で開始しました。日本、北米、欧州で昨年から順次適用が始まっている新排出ガス規制(米国ではTier4 Final)に対応した商品については計18 機種を開発し、販売拡大に努めました。
国内生産拠点では電力使用量半減活動を推進し、石川県の粟津工場に生産効率を飛躍的に高め購入電力量90%以上の削減を見込む新組立工場を昨年5月に竣工しました。
また、建設・鉱山機械の新車需要が落ち込む中でも、アフターマーケットの需要を確実に取り込んだことにより、当期の部品の売上げは過去最高となりました。
売上高(部門間取引消去前ベース)
セグメント利益 / 売上高セグメント利益率
地域別売上高構成比(外部顧客向け売上高:2014年度)
伝統市場
- 日本
- 建設投資や東日本大震災被災地における復興工事の需要を着実に取り込んだものの、一般建設機械のレンタル業界向けの需要が一巡した影響を受け、売上げは前期を下回りました。
- 北米
- 鉱山向けや、原油価格下落によるエネルギー向けの需要が低迷した一方、住宅建設および道路などのインフラ分野向けに需要が増加した結果、売上げは前期を上回りました。
- 欧州
- 主要市場のひとつであるイギリスを中心に需要が伸長した結果、売上げは前期を上回りました。
戦略市場
- 中南米
- 低調が続く鉱山機械に加え一般建設機械の需要が減少したため、売上げは前期を下回りました。
- CIS
- 通貨下落や金利上昇の影響に加え、金鉱山およびエネルギー向けの需要が依然低迷しており、売上げは前期を下回りました。
- 中国
- 中国政府は高度成長から「新常態(ニューノーマル)」への移行を明示しており、住宅ローン規制緩和や利下げなどの景気対策は打たれたものの、特に本年2月の春節(旧正月)後の需要の落ち込みが大きかったこともあり、売上げは前期を大きく下回りました。
- アジア
- 最大市場のインドネシアをはじめタイなどで需要が低迷しましたが、フィリピン、インドなどの需要拡大を取り込むことができたため、売上げは前期を上回りました。
- オセアニア
- 鉱山向け需要が依然低調に推移し、売上げは前期を下回りました。
- 中近東
- 主要市場であるトルコの需要低迷や、原油価格下落の影響があるものの、サウジアラビア、カタール、UAE などの湾岸諸国を中心に需要が堅調に推移し、売上げは前期を上回りました。
- アフリカ
- 南アフリカを中心に鉱山機械の納入が進んだことから、売上げは前期を上回りました。