米農家の取り組み    

能登の農業を復興するために、

農業ブルドーザーの力が必要だった。

米農家の取り組み 

能登の農業を復興するために、

農業ブルドーザーの力が必要だった。

ICTが、一人の米農家をブルドーザーのスペシャリストに変えた。

その試みは震災前から始まっていた。

5~6年前から、農道に砂利を撒くときや稲作地の均平化に農業ブルドーザーを使用していた裏さん。
今回の震災で歪みや亀裂の発生した圃場(ほじょう)は、ICT技術を活用した農業ブルドーザーで修復できるのではないかと考えたそうです。
これまでの経験とICTが結びついた瞬間でした。

震災復興の即戦力へ。

陥没や亀裂が発生した圃場は、まず埋め戻すことが重要。最悪の場合、雪や雨が降って土砂崩れなどの二次災害を引き起こすケースが考えられるからです。
裏さんは、圃場に水を張った状態で整地することを検討。
コマツに相談しながら、実証実験を繰り返しました。

ICTが、支えてくれる。

ICT技術を活用した農業ブルドーザーは、GNSS衛星を受信することで位置情報や圃場の凹凸状況をデータ化。
ブレードが自動で制御されます。
研修を受ければ、操作経験の少ない農家の方でも自力で均平化や整地を行うことができるのです。

これからの農業に、光が射した。

たとえば、水田の雑草を抑えたい。水持ちを良くしたい。
収量を増やしたい。作業体系を変えたい。そういった要望も、農業ブルドーザーが解決するかもしれません。

インタビュー

ICT技術が、 新しい農業をつくっていく。

米農家 裏貴大さん

農業ブルドーザーに初めて乗ったとき、これまでにない可能性を感じました。ICTが圃場の凹凸状況をデータ化して、ブレードの制御を自動でやってくれるんです。まるでブルドーザーのスペシャリストが操縦するような動きなので効率が上がりますし、作業の無駄がなくなりました。
それでも要望や改善してほしいことは出てきましたが、コマツは課題を解決するスピードが早かったです。

実際に使ってみて、感想をフィードバックする。そして対策を話し合い、改善していく。その関係性が築けているので、信頼感が生まれますよね。
震災の復興はまだまだ道半ばですけど、農業ブルドーザーでひとつの光が見えたような気がしています。

今回の取り組みを成功させ、その事例を他の農家にも展開していきたい。能登のみなさんと、同じ農家の同志たち、地域の支援機関、関係してくれたチーム、コマツのおかげで今があるので。
能登の未来の農業も、ICTでもっと効率化と省力化ができるはずと信じています。

 

能登の農業を守り続けたい。

米農家 松木博光さん

農業機械に乗ったことがあれば、農業ブルドーザーの操作は難しくないと思います。事前の研修とICTのおかげで圃場の均平化も比較的容易に行えました。
復興への課題は本当に多く、試行錯誤する毎日ですが、農業ブルドーザーを有効に使っていきたいです。
世界農業遺産に認定された能登の農業と、この地域の暮らしを、可能な限り守り続けていきたいと思っています。