2018年01月29日
コマツ(社長:大橋徹二)の鉱山向け無人ダンプトラック運行システム(Autonomous Haulage System以下、AHS)は、商用導入開始から今年で10周年を迎え、豪州・北米・南米でのAHSダンプトラックの稼働台数は、合計で100台を超過しました。これまでの10年間に稼働環境の異なる鉱山現場で実証・蓄積したAHSの安全性・生産性・環境性・システム柔軟性に対する高い市場評価を踏まえ、コマツは鉱山現場でのAHS導入を一層加速していきます。
コマツは、2005年にチリ コデルコ社銅鉱山へAHSを試験導入し、2008年1月に同社と共に世界初のAHSの商用導入に成功しました。そして、2008年末には豪州リオ ティント社鉄鉱山においてもAHS導入に成功し、リオ ティント社は、現在までに西豪州ピルバラ地区の4鉱山でAHSダンプトラックを導入・稼働させております。リオ ティント社の全ての無人オペレーション運行管理は現場より約1,500km離れたパースの同社オペレーションセンターより安全に、かつ、効率的に実施されています。これらの成果を受け、2013年にはコマツはカナダのサンコー社オイルサンド鉱山の一部稼働エリアへのAHS試験導入の支援を実施しております。
現在、コマツのAHSは合計3カ国・6鉱山・3鉱石運搬で24時間稼働しており、2017年末時点までの累計総運搬量は15億トンを達成しています。AHSの安全性に関しては、わずかな運転ミスが重大事故に発展する可能性のある鉱山現場において、既存の有人オペレーションに比べて格段に高まるとの評価を得ています。また、生産性に関しても、既存の有人稼働の積込・運搬コスト単価に比べて、15%を超えるコスト削減効果が実証されています。さらに、AHSの最適な自動運転制御による急加速・急ハンドルの減少により、タイヤ寿命が40%改善する効果も実証されており、AHS導入による様々な効果は環境負荷低減にも多大な貢献を示しております。
AHSで実証した無人化の効果を既存稼働鉱山にも展開すべく、コマツは昨年9月にリオ ティント社既存鉱山で有人稼働中の電気駆動式大型ダンプトラック830E(最大積載量:220トン)を無人稼働可能とするAHS改造後付キットの試験導入に成功し、この度、リオ ティント社より同社豪州ブロックマン4鉱山で有人稼働する830E 29台向けに一括受注しました。
今後コマツは、このAHS改造後付キットを主要なコマツ大型トラックモデルに展開すると共に、既存の他社製トラックをAHSフリート内で安全に有人稼働させる混走稼働の機能拡充を進め、鉱山会社において一層需要が高まりつつある既存鉱山の段階的な無人化移行に貢献するAHSソリューションを提供していきます。
写真:AHS改造後付キットを搭載し無人稼働する830E
(場所:豪州リオ ティント社鉄鉱山)
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