2024年03月07日
コマツ(社長:小川啓之)は、このたび、ナトリウムイオンバッテリーを搭載した電動式フォークリフトのコンセプトマシンを開発し、2024年3月よりお客さまの現場で実証実験(PoC)を開始します。ナトリウムイオンバッテリーを搭載するのはコマツとして初めてであり、また、フォークリフトへの搭載は世界でも先駆的な取り組みです。今後、お客さまの現場での試験を通じて、新しいバッテリーの性能やその特性を踏まえた最適な使用方法を検証し、量産化を目指します。
【ナトリウムイオンバッテリーを搭載した電動式フォークリフトのコンセプトマシン】
これまでコマツは、電動式フォークリフトにおいて、通常のバッテリー搭載機種に加え、補水不要な鉛バッテリーを搭載した機種(※1)や、長時間・重負荷作業向けにリチウムイオンバッテリーを搭載した機種(※2)を提供し、お客さまの現場のニーズにあわせた電動化を進めてきました。一方で、特に低稼働・軽負荷の現場では、イニシャルコストの高さなどからエンジン駆動式フォークリフトを選択されることも多いなど、現場の電動化にはまだ課題があります。
今回取り組むナトリウムイオンバッテリーは、エネルギー密度は低いものの急速充電に対応できるため、頻繁に充電することで連続稼働が可能です。また、サイクル寿命(充放電を繰り返せる回数)が長いことから、劣化のためバッテリー交換が必要になるまでの時間を長くとることができ、ランニングコストの低減が期待できます。さらに、地球上に豊富に存在するナトリウムを用いるため安定した調達が期待でき、将来的なコスト低減が見込めることも大きな利点です。
コマツは、これらナトリウムイオンバッテリーの特性を踏まえ、低稼働・軽負荷の現場に適した選択肢を提供するために、このたびのコンセプトマシンを開発いたしました。このコンセプトマシンには、コマツの1.5トンクラスの電動式フォークリフトに、Jiangsu Highstar Battery Manufacturing Co.,Ltd (本社:中国、総経理:陳 剛)製ナトリウムイオンバッテリーセルを用いてShanghai Hirano Environment Technology Co.,Ltd (本社:中国、董事長:呉 坤秀)が開発したナトリウムイオンバッテリーパックを搭載しています。電動式フォークリフトの選択肢を増やすことで、あらゆる現場の電動化を加速させ、環境負荷低減とカーボンニュートラルの実現に貢献します。
コマツは中期経営計画「DANTOTSU Value – Together, to “The Next” for sustainable growth」 に掲げている、ダントツバリュー(収益向上とESG課題解決の好循環を生み出す顧客価値の創造)を通じて、未来の現場に向けた次のステージに踏み出し、サステナブルな未来を次の世代へつないでいくため、新たな価値創造を目指していきます。
※1 補水不要な鉛バッテリー搭載の「FE15-1/FE18-1」 「FE25-2/FE30-2」のこと。
※2 リチウムイオンバッテリーを搭載した「FE25G-2/FE30G-2」のこと。
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