鋳造:D475A-8

幼少から「はたらく車」が好きで、地元富山の地域にも貢献したかった

K・I/ 2014年入社/工業高等専門学校 環境材料工学科卒/所属部署(当時):生産本部氷見工場技術部
コマツグループの工場が富山県にあることを知り、地元に貢献したいと思い入社しました。

鋳物というディープな世界。複雑なプロセスをひも解く難しい仕事

車体設計が要求する鋳物形状・品質を満足し、安定した素材生産をするため、鋳造用の型・工程などを設計する業務(鋳造方案)に携わっています。鋳物には多種多様で複雑な生産工程があり、加えて約1,600℃の溶けた鉄を砂でできた鋳型に流し込む製法のため、品質や生産性を確保することがとても難しいんです。機械加工や溶接などの後工程で鋳物起因の不具合がしばしば発生するケースもあり、発生した不具合に対してどこに原因があるのかをしっかり見極めた上で対策することで、安定した生産を支えています。

一つの失敗から、数多くの対策アプロ ーチを学んだ

溶けた鉄が個体へ変化する冷却工程では鋳物の強度が低く、凝固の遅い一部分がパックリと割れてしまうことがあります。この不具合を防止するために、私は以前、凝固時の強度を確保する対策にチャレンジをしました。しかし、効果が全くない上に結果的にコストが上がり、失敗してしまったんです。しかしその後、上司・先輩に助けられて考え方を変え、別の対策を取ることで不具合を抑制し、無事に問題を解決できました。この失敗から、問題を解決するための着眼点や、一致団結して問題に向き合うチームワークをたくさん学べたと思いますし、今の仕事にも活きていると思います。

信頼性の高い鉱山機械開発には、タフな鋳物(鋳鋼)が不可欠だった

鉱山現場は過酷な環境であり、お客さまが建設機械に求めるのは壊れないことなんです。D475A-8の開発では、鋳物(鋳鋼)はフレーム、作業機などの車体構造物の中でも特に高負荷部位に使用することから、高い品質を求められました。車両サイズが大きいため、中には1部品で全長1.4m・重さ1.3トンを超える大型の鋳物もあり、試作時に多くの時間と知識を費やしました。また、品質と生産性の両立には鋳物形状の最適化が必須です。自社内に鋳造部門がある利点を生かし、チームワークを大切に日々車体設計部門と協力しながら開発にあたりました。