車体開発(商品企画):WA475/470-10

部品単位ではなく広い範囲での設計を求めて、完成車メーカーではなく建設機械メーカーへ

C・M/ 2007年入社/理工学部卒/所属部署(当時):商品企画本部 商品企画室
完成車メーカーのような大きな組織で特定の分野特化するのではなく、若いうちから車体全体をパッケージングで設計できる建設機械メーカーを選びました。

コンパクトな組織だから、自主性を尊重してくれる

コマツも、大きい組織だと思っていましたが、実際に働いてみると思っている以上にコンパクトでした。自分の志向通り、いろいろなことに関われるので狙い通りでしたね。海外の現場視察も、「順番待ちをして」というのではなく、「これ君の担当だから君が行くんだよ」という感じで。部品の選定も私がその部品を一番詳しく知っているのだから、上司も私が決めろと言ってくれる。指示されたことだけをやるような「あれやっとけ、これやっておけ」ではなく自分で動いて決めていけるところが、何よりもうれしかったですね。

苦労して開発した機械と辺境の地で出会えた

アメリカに市場調査にいった時のこと、成田から13時間かけてダラスへ、さらに国内便を乗り継ぎ、またさらに車に乗って片道で6時間ぐらい。私が向かったテキサスの荒野は、本当に西部劇に出てくるような道路と線路と電線しかないんです。「ガラガラ蛇がいるから注意して」と言われながら進んでいったら、鉄塔の工事現場にポツンと私が開発に携わったマシンがいるんですよ。よく見るとそのシリアルナンバーが、私が働いている粟津工場で生産したものだったんですね。私も、このマシンも、地球の裏側まで旅して再び巡り合うことができました。当時の例えようのない暖かな気持ちは、今でも忘れられないです。

難題もチームのチカラで解決。それがコマツのやり方

砕石事業は全世界で安定的に需要の見込める市場、コマツもグローバルに展開する事を見据え、高効率な生産が行える積込機の開発が求められていました。特にヨーロッパではTCO*の観点から燃費のいいものが必要だったんです。商品企画室は、営業部門からの要求を開発チームと中身を精査しながら開発の収益性を検討していました。その時に、海外の営業部門担当者と個別で話するよりもみんなで対面で集まって打合せをした方が効率的なので、年一回日本でミーティングを企画しました。朝から晩まで各国のホイールローダー戦略について集中的に議論する場を設け、 WA475/470-10へは新機構のトランスミッションを搭載するなどチャレンジングなポイントを含めつつ、スピード感をもってまとめることができました。
*Total Cost of Ownership

まず決して自分が諦めないこと、その気持ちにみんなが応えてくれた

WA475/470-10の開発では、お客さまがより簡単に、安全に、効率よく作業やメンテナンスができるよう、車体設計からコンポーネント設計にわたってかなりハードルの高いことをお願いしました。普通のスピードで開発すれば何年もかかる高い目標で、正直なところ各設計者からも計画した日程では難しいと相談を受けました。そんな中でも、諦めず前向きに打合せを繰り返していくうちにみんな本気になり、全員がWA475/470-10の開発を全力で進めていく空気に変わっていったんです。本当に嬉しかったですね。開発・生産・調達部隊にどれだけ本気になってもらえるか、彼らをモチベートできるかが、私の仕事のキーポイントでした。自分ひとりでは到底なしえない高いハードルを越えることができるのはコマツに所属し、意思を共有できる仲間が沢山いるからこそ体験できるやりがいです。