D475A-8

鉱山の現場では、高い生産性とそれを支える安定操業が求められます。機械のオペレーションを止めないためには、幅広い部門の連携が必要です。D475A-8ブルドーザーの新機種の開発と導入に関わった社員の入社のきっかけや日々の業務、どのような思いで仕事に取り組んでいるかをご紹介します。

マイニングのお客さまを取り巻く環境

Global landscape

鉱物資源は車、電化製品、電気などの原料となる、私たちの生活や産業を支える基盤です。資源の安定供給のため、24時間365日稼働しつづけることが求められます。

Our world

従来より耐久性の高い機械の提供により、鉱山の生産が止まらない世界。

Mission

メインフレームの耐久性向上による長時間稼動の実現とオーバーホールを実施する頻度を下げることによる車両の休止期間の短縮で、鉱山の安定稼働を支えることを目指しました。

車体開発

およそ15年ぶりのフルモデルチェンジとなった、D475A-8の開発では、遠隔操作や自立運転への対応はもちろん排ガス規制クリアに加えて、競合機を凌駕する大幅な商品力強化が必要でした。そのためには、メインフレームと作業機をはじめ、キャブ、各機器の配置、サスペンション機構、エンジン出力特性など、ほぼ全ての装置を一からやり直すことになりました。
インタビュー

油圧機器開発

D475A-8では、油圧タンクの開発を担当しました。鉱山オペレーションでは現場を止めないことが最も大切です。油圧機器は建設機械の血管や筋肉にあたるとても重要なコンポーネント。作動油を貯めるタンク一つとっても稼働する現場環境を念頭に置いて、取付形状、構造の検討を行い、機械の品質と信頼性に貢献しています。
インタビュー

自動化システム開発

私の部署の役割は、ブレードを自動で動作させるマシンコントロール機能の開発でした。ブルドーザーのIMC*システム全体の設計にあたり、施工計画面と走行時に認識した地形の情報を利用しブレードを動かすための指令値を算出したり、衛星測位システムや慣性センサーを使って車体位置や姿勢を計算するコントローラーのソフトウェア開発を行いました。
*IMC= Intelligent Machine Control
インタビュー

鋳造

鉱山機械の部品のなかでも、鋳物(鋳鋼)は最も応力がかかる部位に使用されるため、非常に高い品質を求められます。鋳物は高強度で負荷・衝撃に強く、かつ成型の自由度が高いことから、上手に活用すれば車体性能に大きく貢献できます。一方で鋳造には複雑な生産プロセスがあり、生産性を考慮した形状・品質にする必要があります。車体品質と生産性を両立する鋳物構造実現するため、日々車体設計と協力しながら開発にあたりました。
インタビュー

生産技術開発

工場の設備のつながる化、見える化で、生産を最適化するKom-micsという新たなシステムを開発しました。D475A-8のアクスルを製造した小山工場にもKom-micsが導入されていて、以前に比べておよそ20%の加工改善を達成。D475A-8の原価低減につながりました。社会的にも、ものづくり日本大賞で内閣総理大臣賞を受賞するなど、コマツに限らない他の業種にまで波及する活動になったと思っています。
インタビュー

生産技術

私の部署の役割の1点目は生産性検討。生産技術の観点から、高品質で効率の高いものづくりを可能にするために設計や図面の検討を行ないます。2点目は原価低減。文字どおり原価を低減する活動で、生産性という視点から図面の検討を行い、最新設備の導入や最適な生産方法を確立しながら、実現可能な原価低減を検討します。3点目が量産準備。新機種の立ち上げに関しては、作業者が安全に作業でき、品質・効率を高い水準で両立するための、治具を準備する役割も担いました。
インタビュー

海外営業

コマツが、北米でのマイニングブルドーザーの市場で苦戦していたなかで、D475A-8のプロジェクトが立ち上がりました。主な課題は、品質やTCO*がお客さまに評価いただけていないことの改善。その課題に対し、お客さまにコマツを選んでもらうための答えを導きだし、各部署の個別の活動をひとつの目標に向けた線としてつなぐことが、私に与えられた役割でした。
*Total Cost of Ownership
インタビュー