3年振りに観客を入れての開催。第1日は2021年日本プロシニアチャンピオンの立山光広が6バーディー、ノーボギーの6アンダー66をマークして首位に立った。13番ホールまでに6つのバーディーを奪い、14番でも1.5メートルのバーディーチャンス。「これ入れたら」と意識してしまい、このバーディーパットを外してしまう。「勝手に意識して、ぐじゃぐじゃになってきた」とそこからはスコアを伸すことが出来なかった。
2位には2打差で塚田好宣、久保谷健一、深堀圭一郎、藤田寛之、宮本勝昌の5人が並んだ。宮本はこの試合がシニアデビュー戦。「すごい緊張しました。ナーバスというか。明らかにいい緊張ではなかった。自分でもいいスコアを出したいというのが頭にありますし、うまく体が動かなかったです」と堅くなるも4バーディー、ノーボギーで回ってきた。
この日、72歳の髙橋勝成が「69」で回り、エージシュートを達成した。
第2日は深堀圭一郎、塚田好宣、プラヤド・マークセン(タイ)の3人が通算7アンダーで首位に並んだ。深堀は12番ホールから3連続バーディーを奪って、スコアを伸したが16番で3パットのボギー。「ちょっとパッティングがダメでしたね」とホールアウト後も首位の位置に浮かない表情だった。レギュラーツアーでは1勝を挙げている塚田は、その深堀や藤田寛之などの有名選手との優勝争いに「でも、うれしいですよ。シニアに来て、レギュラーの時は……同じところで争うのは難しかった。こうしてシニアでそういう選手と優勝争いが出来るというのは嬉しい」と喜ぶ。首位と4打差以内に20人がひしめく混戦で、優勝争いの行方は予断を許さない。
この日、5アンダー67で回ったマークセンが第2ラウンドのベストスコア賞(賞金10万円)をコマニー株式会社から、さらに18番ホールで289ヤードを記録してエキサイティングプレー賞(賞金20万円)を小松マテーレ株式会社からそれぞれ贈られた。
大会最終日、深堀圭一郎がプラヤド・マークセン(タイ)とのプレーオフ2ホール目でバーディーを奪い、シニアツアー2勝目を挙げた。試合は久保谷健一とマークセンの2人がリードする展開となったが、13番ホールでチップインイーグルを奪った深堀が2人と首位に並ぶと、15番で久保谷がダブルボギーを叩き、優勝争いから後退。深堀とマークセンはお互い譲らず、通算12アンダーで並んだまま、最終ホールへ。第2打をグリーン右手前のバンカーに入れた深堀だったが、この40ヤードのバンカーショットを50センチに寄せてバーディー。マークセンもバーディーで、勝負はプレーオフに突入した。1ホール目もお互いバーディーで決着がつかず、2ホール目へ。深堀の2打目は残り250ヤードで手にしたクラブは5番ウッド。「ちょっと大きかったんですけど、奥に行ってもいいと思って、アプローチで寄せればいい」と思い切って攻めていった結果、ボールはグリーン奥のラフまで行ったが、このアプローチを寄せた。対するマークセンは2打目をグリーン左手前に外すミスショット。アプローチも寄せることが出来ず、バーディーパットを外した。結局、短いバーディーパットを入れた深堀が栄冠を手にした。ちなみにこの日は、妻・晶子さんの誕生日。最高のバースデープレゼントとなった。
なお、清水洋一が2番でホールインワン、倉本昌弘、室田淳、髙橋勝成がエージシュートを達成した。
優勝副賞のPC20MR-5に乗って記念撮影をする深堀選手と大会会長のコマツ代表取締役社長(兼)CEO小川啓之