WA475/470-10

採石業界でも多く使われるコマツの機械。採石現場の困りごとを解決する新機種の開発には、多くの部門が関わりました。WA475/470-10ホイールローダーの開発に関わった社員の入社のきっかけや日々の業務、どのような思いで仕事に取り組んでいるかをご紹介します。

採石のお客さまを取り巻く環境

Global landscape

道路・橋・ダムなどのインフラ整備や、住宅・建築物など、私たちの生活を支える基盤づくりに欠かせない資材を提供している採石産業。この業界では安定した供給と環境保全のバランスが重要な課題となっていました。

Our world

採石活動による環境負荷の低減に加えて、資源の安定供給に欠かせない人材の確保。二つの大きな課題が解決された世界。

Mission

燃費効率を向上させ、環境性能・経済性ともに優れた製品を開発することで、CO2削減を実現すること。そして操作の容易な製品を開発し、習熟していない若手でもすぐ現場に出ることができるようにすること。この2つの目標を持って開発にあたりました。

車体開発(商品企画)

商品企画室では、営業部門からの要求を開発チームと中身を精査しながら開発の収益性を検討します。海外の営業部門担当者と個別でに話すよりもみんなで集まって打合せをした方が効率的なので、年一回日本でミーティングを企画しました。朝から晩まで各国のホイールローダー戦略について集中的に議論する場を設け、WA475/470-10には新機軸のトランスミッションを搭載するなどチャレンジングな要素を盛り込みつつ、スピード感をもってまとめることができました。
インタビュー

車体開発

欧州では燃費改善を強く求められる一方で北米では高いパワーを要求されました。省燃費と高作業力、この相反する要求を両立するトランスミッション(K-HMT*)を搭載したWA475/470-10をこれまでにないほどの短期間で開発しました。
*コマツハイドロリックメカニカルトランスミッション
インタビュー

試験

WA475/470-10のプロジェクトでは、動力伝達を担う装置の性能を評価するトランジェントベンチの構築を担当しました。設計側の、新しい変速装置を作りたい、こんな車を作りたいと明確な目標はありますが、全部設計途中のため試作品すらない…。やはり、ものが存在しないのに試験機だけを作るというのが一番難しかったですね。
インタビュー

パワートレイン開発

WA475/470-10開発では運転操作性の向上と燃費向上が求められました。双方の高い要求性能に応える新機軸のトランスミッションの開発を担当しました。その結果、コマツのホイールローダーとして初めてシームレスな変速を行えるトランスミッションをお客さまの要求品質の水準で開発し、市場へ導入することができました。
インタビュー

ディーゼルエンジン開発

従来機では、特に欧州市場において競合他社よりも燃費に課題があるという声がありました。その原因を探ったところ、この地域のホイールローダーの使われ方に特徴があり、一般的な使用方法であるダンプトラックへの積み込み機としての役割以外に、積み荷をバケットに載せたまま長距離移動させるユーザーが多いということがわかりました。こうした現場の使用状況を受けて開発が決まったWA475/470-10ですが、搭載される新開発のトランスミッションに必要なエンジンは従来よりも遥かに高い応答特性を求めるものでした。
インタビュー

生産技術

新開発のトランスミッションの機構に使用される新規部品の量産立ち上げに携わりました。これまでにない新しい機構を取り入れたコンポーネントを製作することが求められたので、当然今までに経験したことのない形状の部品が必要になりました。実際に試作してみると思い通りの形状にできず苦戦。関連部門の方まで協力してくれて、何とか量産化することができました。
インタビュー

調達

WA475/470-10の開発は、これまでのモデルチェンジでは大きく変えていなかったキャブのフルモデルチェンジも行いました。柱1本をとってみても、ほとんど新規品番の組み合わせ。この機種では十何年ぶりの大きな開発でした。そんな中で、品質や納期はもちろん、コスト調整の3点を社内と社外の間に入って調整しました。コマツの大切なビジネスパ―トナーである協力企業とのwin-winの関係性は私たちが作っています。
インタビュー

生産管理

生産管理は生産のコントロールタワーであり、新機種となるWA475/470-10の市場導入時は、生産立上げの日程管理を担当しました。量産先行機の生産などは本当にたくさんのチェックポイントがあるのですが、その一つひとつを踏まえて、日程を全員で守る、遅れたら工夫し全員で挽回する働きかけを粘り強く行いました。
インタビュー

国内営業

主要コンポーネントを内製している強みを活かした、生産性と経済性を両立させたWA475/470-10の開発。私は販売とマーケティングを担当しましたが、価格重視で建機を選んでいたお客さまからも、最新機能や使いやすさ、さらにサービスの対応力を認めて頂きました。
インタビュー

サービスエンジニア

私の部署のミッションは、導入後間もない北米市場でWA475-8の品質における信頼をお客さまから勝ち取ることでした。欧州市場の求める環境性とは異なり北米市場の要求は高い生産を実現する優れた作業性。また、寒冷地や高温の地域、高地や悪路など過酷な使用環境が多くWA475/470-10に対して車両情報を遠隔で確認できるKomtraxで車両状態を常にモニタリングしつつ現場への訪問を欠かしませんでした。
インタビュー